真面目かつ剽軽(ひょうきん)。

色々なことをそれなりにマジメに考察しつつ、時には面白おかしくつづる。記事のテーマは、街や街道・鉄道の歴史、ぶらり旅や散策、自転車・ロードバイク、住まい・生活スタイル、インターネット・スマホ・パソコン関係など。

自治体公式WEBサイトのアドレス・ドメイン

 

chiaki3s.hatenablog.com

 

昔からの友人らと、上記の外出自粛要請の通知文の違いが面白い、なんて話をチャットしていたところ、インターネット技術に詳しいとある1人が「神奈川県はなぜlg.jpドメインを使用していないんだろう?」と言った。

 

ーLG.JPドメイン??ー

lg.jpドメインというのは、2002年に創設された、地方公共団体(およびその行政サービス)が使用できるドメインだそうだ。わかりやすく言うと都道府県、市町村等がWEBサイトやメールアドレスを持つ際に使用するドメインらしい。ちなみに都道府県、市町村等のURL例は下記の通りだ。

 

ドメイン例>

metro.tokyo.lg.jp :東京都
pref.道府県名.lg.jp :道府県
city.市名.lg.jp :市および東京特別区
town.町名.lg.jp :町

(他に村、地方自治法下の組合/連合、行政サービスの例もあるがここでは省略)

 

東京都公式ホームページ (tokyo.lg.jp)

ホーム - 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

千葉県ホームページ (chiba.lg.jp)

埼玉県公式ホームページ (saitama.lg.jp)

 

たしかに東京・千葉・埼玉はlg.jpドメインを使用している。では神奈川県が使用しているドメインは何なのか?を調べてみると、地域型JPドメインというものだそうだ。

 

ー地域型JPドメイン?ー

地域型JPドメインは(internet watchの記事によると)地域密着型の利用を目的としており、「○○○.chiyoda.tokyo.jp」のように、組織・個人が「○○○」の部分を登録できる「一般地域型ドメイン名」と、「metro.tokyo.jp」(東京都)や「pref.kyoto.jp」(京都府)などのように地方公共団体が登録できる「地方公共団体ドメイン名」の2種類があったらしい。1993年に登録開始され、2012年に新規登録を終了している。

「地域型JPドメイン名」新規登録終了、11月から「都道府県型JPドメイン名」 https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/523403.html

 

地方公共団体の持つ際のドメインの例>

 

metro.tokyo.jp :東京都
pref.道府県名.jp :東京都以外の道府県

city.市名.jp :政令指定都市

city.市名.都道府県名.jp :市 (政令指定都市以外
town.町名.都道府県名.jp :町

(他例は省略)

 

なので、lg.jpドメインが生まれる前は、地方公共団体は地域型JPドメインを使用して公式WEBサイトを構築していたということだ。

 

ー現状、どちらが多いのか?ー

神奈川県以外はどうなのだろう?と思って都道府県レベルの公式WEBサイトをざっとチェックしてみたところ、47個のうち19府県が地域型JPドメインを使用、残りはlg.jpドメインを使用していた。lg.jpドメイン使用率は6割程度。

 

また、サンプルとして無作為に選んだ、栃木県内の自治体の公式WEBサイトもチェックしてみた。wikipediaによると栃木県は14市11町の自治体により構成されているらしいが、私が確認したところ、lg.jpドメインの公式サイトを持つのは13市町、残り12市町は地域型JPドメイン(tochigi.jp)だった。なお栃木県の公式WEBページ自体はlg.jpドメインを使用している。

 

つまりlg.jpドメインの使用率は地方公共団体の中では5~6割くらいといったところだろうか。

 

もともと、WEBページ作成やドメイン開設自体は、おそらくどの自治体も2000年代にやっただろうと思われ、その当時は地域型JPドメインがスタンダードであり、今さら新しいドメインに切り替えることにあまりやる気が湧かない、予算が付きにくいのだろう。

 

アドレスが変われば、冊子/ポスター/チラシ/名刺などの印刷系媒体は勿論、メール/WEBページ/他電子媒体での記載・リンク先の変更などを全て行う必要があり、それらは一朝一夕では完了できず、浸透には長い期間がかかるものだ。